
オフセット印刷機のオペレーションにおいて、インキ供給量を調整する色合わせ作業は、数値で決まらない色の感覚量を機械装置の操作量に変換する印刷機固有の技術であり、印刷物の製品価値(品質)を左右する重要な作業である。一方で、印刷現場の生産性向上のためには、色合わせ作業に代表される印刷準備時間を短縮することが求められ、オペレータには、高い色の識別眼(色見本と印刷された色の違いを識別し、インキの過不足を判断する能力)と正確な機械操作スキル(どれ位操作すれば所望の色合いに調整できるか見極める技能)が要求される。
印刷機のインキ供給量は、インキキーと呼ばれる幅方向に分割された多数のブレードとインキ元ローラのクリアランス(インキキー開度)により調整され、リモコンデスク上のインキキーボタンを用いて、個別に操作される。特に刷り出し時の色合わせには、オペレータはピアノの鍵盤を操るがごとく両手の指先を駆使してインキキーボタンを操作することが頻繁に行なわれている。印刷の世界では常識ともいえるこのような印刷機械の操作方法は、人が機械に合わせて動く典型的な例であり、操作にスキルが要求される大きな要因となっていた。
三菱重工では、これらの問題に着目し、今までの色合わせ操作の概念を大きく変えるマン・マシン・インターフェース装置としてDIAMOND Color Navigatorを開発した。
本装置を使えば、従来のような煩雑なインキキー調整は不要となり、人間の見た目の感覚に即した指示(例えば、“この辺を赤くしたい”、“青くしたい”、“濃くしたい”、“薄くしたい”といった感覚)をタッチモニタから簡単、かつ正確に伝えることができる。さらに、付属のハンディタイプの分光濃度計を用いることで、色見本との色合わせに関するガイダンス(指示)を受けることが可能で、ベテランのオペレータに匹敵する色合わせ操作を誰でも簡単に短時間で行うことができる。 |