最適な印刷物生産システム構築に取り組むために、最初に実施しなければならないのが“印刷の安定化”である。
 オフセット印刷では、印刷機械にインキ・水・ブランケットなどの資材を用いて、印刷用紙の上に1µmという超薄膜のインキ層を形成して色を表現する。
 この条件において“印刷を安定させる”ためには、各印刷現場において(1)「印刷機械の管理」、(2)「印刷資材の管理」そして(3)「印刷環境の管理」の3つの管理を正しく行うことが必要となる。
 オペレータが印刷中にインキ供給量や水の供給量を調整することで、目標とする色校正に印刷物の色を近づけることは可能だが、これは経験を積んだオペレータの感性に負うところが大きく、しかも調整の個人差による色のばらつきは避けられない。また、調整時間中に発生する損紙量も多くなる。品質のばらつきや資材の無駄をなくすためには、まず、機械の管理、資材の管理、そして印刷環境の管理が大切である。

(1)印刷機械の管理

 印刷機械の管理では、「給油」「点検」「調整」「清掃」と言った機械メンテナンスの基本を、日常的に実施することが前提だが、さらに“印刷の安定化”のためには、次の4つの項目を重点的に管理する必要がある。
(1) ブランケットの仕立て
(2) インキローラ・給水ローラのニップ 
(3) インキキーの0(ゼロ)点設定
(4) 爪と見当装置

(2)印刷資材の管理

 インキや紙などの印刷資材が変わると、ドットゲインやトラッピングなどの状態が変化するため、印刷資材の管理も品質管理の重要なファクターである。印刷資材管理の項目には次のようなものがある。
(1) インキ種や紙種
(2) 資材の保管
(3) 湿し装置の水

(3)印刷環境の管理

〈図2〉 印刷環境

 環境が印刷品質に影響を与える変動要因を図示すると、図2の通りである。
 特に重要な管理項目としては、印刷現場の温度・湿度管理と観察環境(光源)の管理が挙げられる。