MCCS-Vが有する多彩な色調コントロール機能

 MCCS-Vには多彩な制御機能があります。印刷の種類や状況に応じて適宜使い分けることが可能であり、さまざまなシチュエーションで最適な色調制御方法を選択することができます。その機能の代表例をいくつかご紹介します。

(1)色見本の取込みによる絵柄色調制御機能

 この制御方法は、色見本に色を合わせたい時に使用します。この制御を行うためにカラースケールは不要です。過去に印刷された印刷サンプルや平台校正紙などを色見本として計測してターゲットカラーとして取り込み、色調制御を行います。色見本は、1枚ものであれば全く問題ありませんが、複数に分割された印刷物でも対応できます。また、ジョブ終了時に実際に印刷した絵柄色を記憶しておくことが可能ですので、リピートジョブの場合、抜群の再現性で印刷することができます。

(2)デジタルデータによる絵柄色調制御

MCCS-V用625色専用チャート

[MCCS-V用625色専用チャート]

本チャートをMCCS-Vで計測することにより基準カラーデータが作成されます。

 カラーマネージメントシステム“CMS”とリンクすることにより、デジタルデータで直接、ターゲットカラーでのプリセットが可能です。これにより、従来の基準ベタ濃度で管理する標準印刷から一歩進んだ“網点色まで含めた標準印刷”がカラースケールレスで実現できます。
 本機能を使用するためには、準備として625色の専用チャートを入れた評価チャート版を標準条件で印刷し、これをMCCS-Vで計測することにより、基準カラーデータの作成を行います。この基準カラーデータには、網点面積率と印刷色との対応が記述されており、一般で広く使用されているICCプロファイルと同様の働きをします。デジタル校正機などのICCプロファイル作成に必要な絵柄やチャートも本評価チャート版に含めることにより、全てのデバイスの色基準を統一することができます。
 オペレータは、色調制御時に“コート紙の色基準”や“上質紙の色基準”など予め作成した基準カラーデータを選択するだけでOKです。印刷の色合わせ作業にインクジェットプリンタやDDCPなどから出力された色校正紙がなくても、MCCS-Vにより標準印刷が容易に可能となります。        
 MCCS-Vによるデジタルデータ制御機能をもとにCMSを構築することにより、“プレスまで含めたデジタル値によるカラーマネージメント”が実現できます。これは、MCCS-Vの最大の特徴でもあります。

MCCS-VによるCMSシステム
[MCCS-VによるCMSシステム]

(3)カラースケールによる色調制御

 従来と同様、カラースケールを用いた色調制御が可能です。5.0mm以上のパッチサイズに対応しています。計測データから画像処理によりカラースケール位置を自動で検索するため、オペレータは、カラースケールの種類を選ぶだけで良く、配置位置の設定など余分な操作は不要です。また、プリプレスデータがなくても色調制御が可能です。
 カラースケールが印刷されている場合、色見本の取込み制御やデジタルデータ制御を行っている場合でも、印刷濃度やドットゲイン、トラッピング、コントラスト値などの品質管理項目が自動計測されるため、印刷物の品質管理や印刷機のコンディションチェックが可能です。
 また、カラースケールを用いないで制御を行う場合にも、手動により目標色をアップ/ダウンできることから、読み込まれた校正刷りや標準カラーに対して“紅を強く”、“藍を抑えて”といった印刷の現場でよく発生するクライアントの要望にも即座に対応することが可能です。
 上記の通り、MCCS-Vは多彩な制御機能を有しており、その仕事や状況に応じて最適な制御方法を使い分けることができます。