ジャパンカラーには標準インキ、標準用紙、ベタ色標準測色値、ベタパッチ色見本および、色再現印刷2001など5つの標準ツールがある。その個々のツールについて簡単に説明する。

JAPAN COLOR標準インキ
 −JAPAN COLOR INK
 TC130国内委員会の委託により、印刷インキ工業会が加盟するインキメーカー8社の代表的なプロセスインキについて、色特性を測定、集約したが、その結果を受けてTC130国内委員会が標準分光反射曲線を決定して、これを体現するインキの作製をインキ工業会に依頼した。これをわが国の標準インキとしたもので、現在は後述するJAPAN COLOR 2000標準測色値を許容値内で再現しているプロセスインキを標準インキ対応としているので、各インキメーカーから入手することができる。

JAPAN COLOR標準用紙
 JAPAN PAPER
 国内製紙メーカー6社のアート紙の表面特性平均値を“JAPAN PAPERの標準特性値”と規定し、その平均値に近い2社のアート紙を標準用紙−JAPAN PAPERとした。現在、表1に示す光学的特性のものを標準用紙としており、これはオフセット印刷の工程管理を規定したISO規格の用紙タイプ1に相当する。
「JAPAN COLOR色再現印刷2001」に用いた4種類の用紙については、ISO規格相当品を製紙メーカー3社に提出して貰って特性を測定した。その結果、それぞれのタイプの用紙で3社ともほとんど同じ値が得られたので、国内のISO規格相当品である4種の用紙は、いずれもISO規格を満たしていると評価された(表2)。
 
表1 JAPAN COLOR標準用紙の特性
  白色度 1)
(%)
光沢度 2)
(%)
測色値(CIELAB値)3)
L* a* b*
標準用紙 80±5 75±2 93.0±3 0.5±2 0.4±2
注 1) ハンター白色計:TAPPI T452om・87、geometry45・0、457nm、JIS P8123
注 2) 村上式光沢計:TAPPI T480om・90、75°
注 3) 分光光度計:X・Rite938 0/45、D50、2度視野、ブラックバッキング

表2 用紙4種類の製品名
メーカー名 アート紙(ISO規格)
マットコート紙(ISO規格) コート紙(ISO規格) 上質紙(ISO規格)
王子製紙 OK金藤N OKトップコートマット OKトップコートN OKプリンス上質
日本製紙 NPi特アート ユーライト NPiコート ニューNPi上質
三菱製紙 特菱アート両面N ニューVマット パールコート 金菱
 
ベタ色標準測色値
 JAPAN COLOR SOLID VALUE(CIELAB値)
 一般に「ジャパンカラー標準測色値」と言われてきたが、正確には「JAPAN COLOR SOLID VALUE」であり、ベタ色の標準を示している。
 日本の代表的印刷会社21社から提供された各社が使用している社内標準濃度を計測するベタパッチの入ったアート紙の校正刷を測色して、平均測色値(CIELAB値)を求め、その値を日本の印刷物の平均的ベタ色と考えた。JAPAN COLOR INK及びJAPAN PAPERを使用して印刷したサンプルがこの平均値に対して色差(ΔE)が最小になるような測色値を求めて、JAPAN COLOR SOLID VALUEとしたものでY、M、C、K、B、G、R、Wの8色に対して測色値が決められている。現在、2000年に改定された第3版の“JAPAN COLOR 2000ベタ色標準測色値”が標準となっている。それを表3に示す。
 
表3 JAPAN COLOR 2000ベタ色標準測色値
  L*
a* b*
Cyan 53.9 -37.0 -50.1
Magenta 46.6 75.1 -4.4
Yellow 87.9 -7.5 91.5
Black 13.2 1.3 1.9

  L*
a* b*
Red 46.5 68.5 48.0
Green 49.0 -73.5 25.0
Blue 21.0 20.0 -51.0
White 93.0 0.5 0.4
測色条件: 0/45、D50、2度視野、ブラックバッキング(ISO 13655)
許容色差: ΔE<6
 
「JAPAN COLOR色再現印刷2001」配布セット


1) 解説書
2) 4種類の用紙における色標準印刷見本各1部(計4枚)
3) CD−ROM(内容下記)
●用紙4種類のISO12642出力ターゲット(928色)の印刷物測色データL*a*b*値およびXYZ値
●用紙4種類のICCプロファイル ●印刷画像デジタルデータ
さらに解説書の巻末には用紙4種類の色標準印刷物の下記テクニカルデータが附表として掲載されている。
1) ISO 12647パターン階調ステップの色
●各階調ステップのドットゲイン ● ドットゲイン特性 ●各階調ステップのCIELAB値
●CIELAB値a*・b*投影図
2) ISO 12642パターン(928色)測色値
 この標準セットには、網ポジ4枚に相当する画像デジタルデータとそれに対応する4種の用紙の標準印刷見本がついており、この標準印刷物と同じものを印刷する場合の印刷条件が、解説書に示されている。さらに、用紙4種類のそれぞれのISO 12642とISO 12647−2の測色データは、各用紙のJAPAN COLOR標準プロファイルを与えており実用性の高い標準セットになる。

頒布価格:60,000円(消費税別)
問い合わせ先:(社)日本印刷産業機械工業会ISO/TC130国内委員会 TEL.(03)3434-4661
JAPAN COLORベタパッチ色見本
 “JAPAN COLOR”色見本と言われているもので、標準インキと標準用紙を用いて表3のJAPAN COLOR 2000ベタ色標準測色値をISO規格色差△E<6(現実には△E<3)で体現したベタパッチ印刷色見本である。この見本はISO規格の条件を満たした用紙タイプ1(アート紙)に関する日本の標準ベタ印刷色を示している。現在このベタパッチ色見本は日本印刷学会標準化委員会の協力により「第3版」が発行されている。

JAPAN COLOR色再現印刷2001
 ISO規格に対応する日本の印刷用紙4種類(アート紙、マットコート紙、コート紙、上質紙)を用いて国内の実状に見合ったJAPAN COLOR標準印刷色見本としての印刷物とそのプロファイルデータの作成を目的に作製された。以前頒布されていたJAPAN COLOR’97もISO規格を体現したものであったが、この「JAPAN COLOR色再現印刷2001」は網点50%のドットゲイン値がJAPAN COLOR'97より小さく、日本市場の実用性を重視して作製されているのが特徴である。
 当社では、日本印刷学会標準化委員会のメンバーとして「ジャパンカラー」の制定作業に参加しているが、昨年、委員会のメンバーと協力して「JAPAN COLOR色再現印刷2001」の頒布用印刷サンプルの作製を担当した。
 この頒布用印刷サンプルの作製において、当社を含む印刷機メーカーは、委員会で協議された計測及び実機運転方法をもとに、印刷用紙の種類別に分担してサンプル作製を行った。
 当社は、ショールームで菊全判4色機(DAIYA304)を使って印刷を実施したが、サンプルを基準値からばらつかせさせないために、印刷の環境整備には通常以上の気をつかった。ニップの調整、仕立ての確認は当然のことで、マルチローラ温調と言われるインキローラの温度を調整できる装置がついているが、機械本体の温度調整はできないので、朝早くから印刷機械を空転させ温度を一定に保ち、温度・湿度などの室内環境をシビアにコントロールして、一定の印刷条件を維持しながらサンプル取りを実施した。
 こうして出来上がった「JAPAN COLOR色再現印刷2001」は、日本のオフセット枚葉印刷の色標準として作製されたもので、175線の印刷物と各種データを含み、オフセット枚葉印刷の“JAPAN COLOR”印刷標準ツールとして位置付けられる。
 

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