現在の印刷製版工程では、原稿の持つ色情報はR(赤)、G(緑)、B(青)のデジタル信号に変換して取り込まれ、製版工程ではそのRGB信号を、それぞれの企業のノウハウや経験をもとにC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)のインキ量に変換すべく色分解や網かけ作業を行い、PS版上に絵柄に応じた網点をつくる。
 ある原稿を1社の製版部門が製版して、4色(CMYK)のPS版を10セット作り、10社の印刷会社に“刷り見本”なしで渡して、各社の印刷標準で、同じインキと紙を使って4色刷オフセット印刷機で印刷してみる。おそらく刷り上った各社の印刷物を比較すると、10種類の印刷物に分類されるであろう。ただし“刷り見本(校正刷)”のような基準になるものを渡すと、10社の印刷物はおそらく2〜3種類の印刷物になる。
 この“刷り見本”に相当するものが印刷色の標準「ジャパンカラー」であり、刷り見本が無くてもジャパンカラーの標準印刷物と同じものが刷れる条件に印刷機が調整されていれば、日本の平均的な印刷物に印刷でき、10社の印刷物はほぼ同じ印刷物になるという考え方である。
 ブロードバンドなど情報通信手段が発展すると印刷会社と制作会社、さらにはクライアントとの間でカラー印刷のデータを送受信して作業を進めるデジタル送稿が増えてくると予測されているが、この場合、送り手と受取り手側で色に関する共通の”ものさし“を持たないと、このシステムは成立しない。
 この共通の“ものさし”に相当するものが標準であり、印刷色に関する日本の標準は「ジャパンカラー」である。印刷色に関する標準は、各国にひとつ認められており、米国にはSWOP(Specifications for Web Offset Publications)、欧州にはヨーロッパ標準がある。