印刷部門や印刷専業の会社の方は、CMSとはプリプレスのことと考えられているかもしれませんが、これまで述べたようにプリプレスで「重箱の隅を突く」ようなカラーマッチングを施しても、印刷工程でのバラツキで全てが水泡に帰すわけで、大量生産の最終印刷物の色が合わなければ本来のCMSは達成されません。その意味でも印刷工程で「標準印刷」を確立することが必要です。
 同時にCMSと「標準印刷」は、印刷・製本工程にも大きなメリットをもたらします。つまり従来のように印刷機上で色を作り込む時間が短縮し、また標準値を超えるようなインキを盛るために色調不良だけでなく裏付き・コスレなどの不良の発生をなくすこと、さらにパウダーを霧のように吹いて板取りをしなければ刷れない印刷物を棒積みにすることで省力化・時間短縮化を図ること、また適正濃度(膜厚)で刷られた刷本は製本・加工工程に短時間で回すことができるなど、品質保証による無事故・
ノークレームだけでなく、工程全体の総合的な生産性の向上にも寄与することになります。

 図のように色は特定の範囲しか正確に再現できません。この色再現の範囲を「ガモット」とよび、それぞれの色再現性の範囲を「色空間」(カラースペース)とよびます。
 たとえば、モニタの色空間は、印刷の色空間より広いので、モニタで見る色が印刷物よりも明るく鮮やかに見えるのは、このガモットの違いにあります。
 色は複雑で簡単にはコントロールできない理由がここにあります。モニタとプリンタではガモットが違い、この差異を補正し変換するのが「ICCプロファイル」とよばれる標準規格で、各デバイスの色再現を数値化することで各デバイス固有のガモットを補正する役割をします。


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