最後に、山形県印刷工業組合の理事長も務められている工藤社長に、“業態変革”について、お考えを伺った。
 「何をやるかは印刷会社が各々考えないといけないと思います。業態変革の本質は、それぞれの印刷会社が独自性や得意とするジャンルをどう持つかということなのだと思っています。理想形はオンリーワンです。特徴を持つということは絞り込みをしていかなければいけないということですが、絞り込んだものとマーケットがマッチするのかというリスクが出てきます。ですから、絞り込みを先に考えるのではなく、自社にとって何ができれば、お客様からかわいがってもらえるかという点を掘り下げていくことが大事だと思います。紙への印刷が中心でしょうが、紙以外も入ってくるでしょうし、それはITだけに限らないと思います」
 「業態変革というのは、ひとつの形があるものではなくて、その企業が何をやっていけばいいのかと各々が悩むことであり、深く考えるきっかけ作りという位置付けだと思っています」という工藤社長の言葉は奥が深い。
 工藤社長の個人的な趣味や人生感なども伺った。音楽が好きだと言われた社長のもうひとつの楽しみは海外への個人旅行で、好きな国はフィンランド。風土や笑顔で接してくれる人々の人間性が忘れられないとのこと。経営者としての抱負は、印刷業界が置かれた厳しい状況を乗り切って、安心して後進にバトンタッチをしていける基盤をつくっていくという責任を果たすことが、会社への恩返しだと語られた。
 新しい《経営理念》を社員一人ひとりが胸に秘めながら、田宮印刷はその理想とする姿へ向かって、一歩一歩進んでいく。