大変に興味深かったのが、印刷業に長く関わった前田社長が語った印刷業の本質だ。
 「印刷業の根本は、印刷機械の稼働率をいかに高めるかです。よい機械を導入して、効率的に稼働していけば、印刷業はきちんと利益が上がるようになっているのです」
 前田社長が現在、注目しているのが、工場全体の稼働率だという。機械の潜在能力と稼働率。このギャップをいかに詰めていくかが重要だという。版替えなどジョブチェンジの際にアイドリングタイムが生まれる。この時間が印刷機の稼働率を下げる。工務部がその姿を普通だと思う。工場がそれを前提とした工程にしたがって、作業を行う。それでは、印刷現場に工夫が生まれてこないという。
 「少し多めに仕事を渡すことも必要です。そうすれば、工場がやり方を考えるようになります。今はまだ遊びの時間が多すぎます。機械の生産性うんぬんというより、オペレーターの意欲の問題だと思います」と厳しい。これはいっそうの効率化を志向するゆえの厳しさであろう。
 最後にこれからの事業展開について、前田社長に伺った。
 「印刷機の稼働率をとにかく高めることです。稼動率が高くなると従来の仕事だけでは仕事量が不足します。そのために新しい市場にも参入することが必要かもしれません。ひとつの方向として、地元のお客様からの依頼もあり、パッケージ印刷の分野は挑戦したい分野です。隣県の富山は薬の包装などでパッケージ印刷に圧倒的に強い地域です。それと同じやり方では意味がありませんが、タンデムパーフェクターは厚紙にも印刷ができることもあり、そのメリットも活かして取り組んでいきたいものです」
 前田印刷は新たな市場へいっそうの挑戦を重ねていく。