ページものに特徴がある前田印刷の製品群。
 「タンデムパーフェクターで、輪転印刷のマーケットにも進出をしたい」と前田社長は言い切る。
 「輪転印刷も小ロット化が進み、5,000から1万部という枚葉印刷の領域へじりじりと迫ってきています。ですから、こちらも逆にワンパス両面機のメリットを活かして、輪転の世界へ進出していかなければなりません」
 印刷部数による輪転印刷と枚葉印刷の境界線が次第にぼやけてきて、その境界領域でのビジネスシェアを広げる戦いは熾烈を極めている。そこで、枚葉印刷を主体とした印刷会社にとって、印刷品質レベルが高く、紙サイズが自由に選べるワンパス両面印刷機は大きな武器となる。さらに同じ枚葉両面機でも、タンデムパーフェクターだから可能な高い見当精度や安定した印刷品質は強力なパワーになる。両面印刷を見続けてきた前田社長だからこそ、その選択には厳しい視点があったに違いない。
 導入当初の狙いはこれまで輪転印刷会社へ外注していたタウン誌を内製化することであった。お客様が立ち会いに見えるが、印刷品質への評価も高く、両面の刷り上がりを同時に見られるのも、大変に好評だそうだ。

 「反転タイプの両面機はさまざまなメーカーの機械を使ってきましたから、長所も、短所も知り尽くしています。比較検討して、タンデムパーフェクターの機構が、ワンパス両面枚葉印刷機の最終的な形かなと思っています。まだ導入してあまり時間が経っていないので実力は100%発揮されていませんが、今期末にはタンデムパーフェクターでどのくらい売り上げが拡大できるか楽しみです」
 タンデムパーフェクターは、ダブルデッキタイプの両面機や反転タイプの両面印刷機で心配される印刷障害や様々な両面印刷特有の制約を機構的になくした点が特長だ。前田社長にはこうした技術面での確かな評価をいただいての導入である。
 「三菱の担当営業さんが技術に詳しいので、かなり細かいことまでディスカッションできる点もいい」とお褒めの言葉もいただいた。
 現在、工場内の他の印刷機と、タンデムパーフェクターの生産能力を比較すると、タンデムパーフェクターが2.5倍から3倍になっているという。既に重要な戦力となっていることがこの数字からも伺える。今後は輪転印刷会社へ外注することを極力避けて、多少ロットの多いものでもタンデムパーフェクターで内製する方向だという。
 「この機械がスムーズに稼働していけば、今後の設備はすべてこの方向で行きたいとも考えています」と前田社長はさらなる導入を意気込む。

前田印刷の両面機の新しい展開を担う三菱重工のタンデムパーフェクター8色機。
 
支店を含め全社の刷版を軽々とこなすCTPシステム。