 |
| ダイヤモンド印刷の製品群。 |
同社のCTP導入は本年1月であり、業界では決して早いと言えない。しかしCTP導入から瞬く間にCMS化を実現、現在では、CMSは同社の品質管理の根幹をなすものとして定着している。それでは短期間にこのCMSをどうやってなし得たのか。一貫してCMS導入を推進してきた、今任 幹実 取締役 生産本部長兼工場長に導入の経緯からお話を伺った。
「きっかけは世代間の差でした」
思わぬ言葉が飛び出した。5年ほど前の同社は、経験豊富な年配者と若手たちの間に世代間のギャップがあったという。当時、同社では印刷機械ごと、機長ごとに、印刷の仕上がり品質や仕事の進め方の違いがあり、職人肌の熟練機長たちは、仕事は盗めという発想で若手に接していた。そうした教え方は大変に時間がかかる。しかも、プリプレスの状況や機長の感覚の違いによって、印刷物の仕上がりに大きな違いが出てくる。しかし、違って当然という考え方だった。「その違いを近づけていこうという考え方がなさ過ぎることが問題」と、今任取締役は感じていた。一方、印刷業界を取り巻く環境はデジタル化へ進み、印刷会社として新しい環境に適合する必要もあった。そこで、今任取締役は、CTPの導入などを含めたデジタル化の推進を決意する。しかし、CTPやCMSを即座に導入したわけではなかった。まず、取り組んだのは、印刷資材の購入の仕方だった。
「最初に発想を変えさせる必要がありました。そのために購買の見直しから始めたのです」。
 |
| 今年1月に導入されたCTPシステム。 |
当時の購買は、材料がなくなった時点で各自各様に印刷資材の購入依頼を出していた。そこで、印刷現場の社員に印刷資材購入データの整理を進めさせた。その結果、例えば、ある印刷機のブランケットの使用量が飛び抜けて多かったという事実が判明したとする。そこで理由を探る。新人オペレーターが入ったからだと結論が出る。では、どうやって新人オペレーターを指導すればブランケット使用量を減らしていけるのか。次々に考え方のヒントを投げかけていった。
「分析がいかに大切かということを教えました。考え方はすべて同じなのですね。大きなものであれ、小さなものであれ、PDCA(=プラン、ドゥ、チェック、アクション)のサイクルがすべてに関わってくる。これを考えなくてはいけないということを徹底しました」
現状維持の意識は、時には改善を妨げる要因になる。
「工場は確かに受身の仕事です。しかし、すべてにおいて考え方が受身になると、被害者意識が出ます。被害者意識が出ると、不満になります。そこを変えて、能動的になれれば、改善ができます。川下の人間が、川上の人間にこういうふうになっているからどうしようかと話し合いを持ちかけるようになっていけば、改善のサイクルができます。そのためには、人の考え方を変えてしまわないといけません。そこがすべてでした」
今任取締役は社内の意識改革を徹底して進めていった。
 |
| |
 |
| プレスルームの中央に設置されている三菱重工の色調管理装置MCCSII。 |
|