「販促物語」シリーズとして展開する
アスコン・オリジナルの販売促進支援ソフト群。
 こうした事業発展の追い風となったのは、当時始まっていたデジタル化の機運と、新幹線、国内航空など交通網の全国的な整備だった。チラシの発行には、タイムリーであることが求められる。制作をすべてデジタル化し、通信によってネットワークを広げられれば、福山市に本社を置いていても、お客様とのやり取りには支障がなく、タイムリーに仕事ができる。営業は、整備された交通網で全国を飛び回る。「印刷の行商をめざしました」と林社長は語る。
 こうした2つの追い風を受け、同社は急速に社内の100%デジタル化を進めていく。
 「デジタル化の最大の特長はデータベースにあります」と林社長は指摘する。過去のデータのみを蓄積して“データベース”とするという認識が多い中、同社のデータベースには、食品やスーパー、ドラッグストアなどで、これから使う各メーカの新製品データがいち早く収集されている。このデータベースに全国からアクセスし、検索。画像や情報を引き出し、便利にすばやくチラシなどの販促物の制作ができる。
 「デジタル技術は、印刷産業に大きな改革をもたらす有効な道具である。だからデジタル化に社運も、自らの命も賭けた」という林社長が言うように、同社は創業以来、年間2億円をソフト開発費に充てて、独自のソフトを次々と生み出している。そのひとつの成果がチラシデザインをお客様が内製化するためのソフトウェア「チラシっ子」である。このソフトは、流通小売業のお客様自らがチラシデザインを内製し、デジタルで入稿するまでのもので、印刷は同社が請け負うというしくみであり、同社がめざす「印刷のセミオーダー、イージーオーダー化」を実現する。従来、流通小売業では、POPなどは内製が一般的である。こうしたPOPを作成するスタッフが指示にしたがって入力していくだけで、手軽にチラシを作れてしまう便利さが受けて、導入企業が年々増加しているという。お客様にとっては、入稿のスピードアップ、印刷のコストダウン、ミスの減少につながり、同社にとっても、効率的に印刷を行える。この「チラシっ子」を導入することで、双方にメリットのあるしくみが構築される。社内に操作できるスタッフがいない場合は、同社が指導を行い、場合によってはお客様のオフィスに常駐するサテライトスタッフが代行を行うこともできる。