視覚、聴覚、触覚……あらゆる「感覚」を最大限に研ぎ澄まし、経験を生かしながら、印刷機上でインキと水を自在に操り、紙に文字と画像を美しく的確に再現する。まだ数値や理論が充分に確立されていない時代だけに、そこには、繊細で鋭敏な奥深いアートの世界が広がっていた。
 中京印刷の創業者である澤田 針一氏は、オフセット印刷の成長期であった昭和30年代に登場した、こうした印刷の「匠」の一人だった。
 2代目である澤田 博氏は、小学校時代から仕事に励む父・針一氏の背中を見て育ち、現在は会社を引き継いで、父の信頼を守りつづけている。
 中京印刷の工場を訪れ、これまでの会社の歩みや、現在の印刷への思い、三菱重工の印刷機との出会いなどについて、2代目の印刷の「匠」である澤田 博代表取締役にお話を伺った。