下町情緒あふれる台東区松が谷に建つ
新星社西川印刷本社屋。
東京都台東区松が谷。周辺に昔ながらの下町情緒が残るこの地域に、新星社西川印刷の本社屋は建つ。同社は、昭和37年に、この本社からほど近い入谷に、二次受注を専門とした印刷会社として先代社長が創業した。そして、昭和60年に現社長である西川晴重代表取締役社長が、サラリーマン経験を経て入社。若さと時代を読む感性で、徐々に制作から一貫した印刷物を受注するようになる。
写真を中心としたデータ処理部門からパワーマッキントッシュを導入していき、その流れがDTP関係全般に広がり、現在はクライアントから「画像処理に強い印刷会社」という高い評価を受けている。
その制作物は全業種を対象として多岐にわたるが、なかでも輸入自動車の高品質なカタログ類が目を引いた。こうしたカタログでは、すべての写真に同社が得意とするデータ処理を施しているという。さらに美術本や写真集なども同社の特徴的な分野である。
強力なリーダーシップで会社をぐいぐいと牽引する西川社長に、同社の特長を伺った。
「画像のクオリティを要求される印刷物を、画像処理から一貫して制作できることが、当社の強みのひとつです。現在は制作・製版・印刷の垣根がなくなっています。そのなかで我々がクライアントへアナウンスできることのひとつが、データ処理の強さです」
輸入自動車の場合、海外本社から写真を画像データとして提供されるケースが多い。こうした画像データを受け取り、色調変換はもちろん、例えば、左ハンドル車を日本仕様として右ハンドル車に画像処理をする、細かいグラデーションをつける、自然な影を創るなどの作業も楽々と行う。こうした画像合成はもちろん、依頼によっては撮影までも行う。
二次受注で画像処理から引き受けていた輸入自動車カタログの印刷品質がクライアントに評価され、別の輸入自動車カタログを、プリプレスからの一貫制作で引き受けるようになった事例もあるという。同社は画像処理のクオリティに加えて、スピード、価格、印刷全般にわたる品質の高さで、付加価値をアピールする。
社長就任時の方針についての問いに西川社長はこう答える。
「昭和60年当時は、ここまでプリプレスが進化するとは誰も想像していなかったと思います。もちろん当時の私もそうでした。しかし、時代の速い流れを懸命に追いかけるなかで、かなり早い時期にDTP化の構想を持ちました。そこから、イメージセッターにつながり、CTPをにらんで、ようやく2年半前にCTPを導入し、現在はようやく商業ベースに乗ってきたという状況です」
先ほど見た輸入自動車のカタログや美術本はすべてCTP出力による制作物だという。もちろん、同社は絶妙なバランス感覚を持ち、あらゆる業種の印刷物を手がける。もともと印刷専業であったことから、二次受注に関しても優れた技術力でスピーディーにこなす。
1日最大70版を出力できるCTPルーム。