今や当たり前になってきた厳しい経済環境下で、顧客による企業の選別が進んでいる。顧客の厳しいニーズに応えられなくなった企業は、もはや生き残れない時代になっているのである。そのときの選択基準はいくつもあるだろうが、なかでも重要なポイントは、顧客満足を第一に考える企業であること、そして、コストダウンへの徹底した挑戦を行っている企業であることの2点ではないだろうか。
住宅地図で全国的にその名を知られるゼンリンのグループ企業であるゼンリンプリンテックスは、今から10年前の平成4年4月に、当時のゼンリン本社の印刷生産部門を分離、印刷関連会社2社を吸収合併して誕生した総合印刷会社である。
ゼンリンの名前は“善隣”に由来する。ひたすらに顧客・取引先との信頼関係を最重視する経営姿勢を表した“友愛、奉仕、創造”の社訓が示す“善隣”精神は、まさに顧客満足第一主義である。こうした企業理念を根底に、ゼンリンプリンテックスは、将来を見通し、徹底してコスト意識を高めてきた。このことは、まさに顧客に選ばれる企業への構造変革だったのである。
その結果、10年前に8対2であった住宅地図印刷と一般商業印刷の売上比が、平成14年では4対6と一般商業印刷の比率が急速に高まってきた。この住宅地図印刷と一般商業印刷を両輪に、総合印刷会社として目標であった年商100億円も視野に入ってきており、さらに店頭公開も志向しているという。北九州市の本社を訪れ、ゼンリンプリンテックスのこれまでの歩みを、大迫益男代表取締役社長に詳しく伺った。