「三菱重工の印刷機械の稼働状況に満足しています」と語る小島準一専務取締役。
デジタルワークフローという武器を得て、新日本印刷はどこへ向かおうとしているのだろうか。佐野社長に、新日本印刷のこれからについて伺った。
「これから仕事は都市に集まると思います。私どもも営業の拠点を東京と大阪に持っていますが、ここを強化するとともに、他の拠点をつくろうと考えています。今では通信を使えば、東京にいても、大阪にいても、他の地方都市にいても、地元にいるのとまったく同じ条件で印刷の仕事をすることができると思います。だから、仕事が発生するところで受注して、今ある既存の設備をいかに有効に生かせる動きをするかというところに、当社のこれからの主眼があります」
佐野社長はGTRAXの効用を力説した。
GTRAXという、印刷や製版の仕事をやり取りできるインフラがここに来て完璧になりました。印刷も流通も含めて、こんな革命的なネットワーク環境が整ったというのはおそらく今までにないことです。当社はこれをもっと生かして、東京、大阪の商圏に対して営業展開していくと同時に、もっと多くの仲間と仕事をしていきたいと思います。全国的な仕事のネットワークを構築して、当社の技術を提供しながら、全国の仲間と新たな関係を構築していきたいと思います。
デジタル化という時代の潮流をビジネスチャンスとして生かせる会社と生かせない会社の差が、これからますます大きくなっていくに違いない。
「今はITの時代といわれますが、印刷をベースにしてITをどう活用していくかが大切だと思います。今、自分たちが持っている印刷という得意領域を生かすためのITであるべきです。ITという別の分野そのものを追求していくのではなく、ITを使って印刷をどう強化していくかを考えることが、何より重要なのです」と佐野社長は、印刷に主眼を置いたITのあり方を語った。
また、新日本印刷では、平成12年12月にISO9001を取得。現在はISO14001を申請中だという。こうした企業努力も怠らない。
新日本印刷は、東京支社も、大阪支店も、高松本社も24時間稼働している。しかも、TV電話がつながっていて、顔を見ながら仕事が進められる。東京の仕事がオーバーフローしたら、大阪や高松が引き受ける。夜中に訂正を終えたいものは、3拠点で有機的に仕事をこなす。こうしたワークフローが確立したことで、例えば東京都内で協力会社へフィルムを持って物理的に移動する従来の仕事の仕方に比べ、ネットワークを生かしてデータのやりとりを行い、高松で印刷するスタイルの方が、圧倒的に早く納品できることになる。そういうスピードで仕事が動いていく時代になっている。デジタルワークフローが構築されたとき、物理的距離はもうなくなっていることを実感した。