高松市に位置する新日本印刷株式会社本社。
新日本印刷の仕事の流れを見てみよう。プレス部門の主力は高松市の本社に置き、東京支社と大阪支店、そして、高松本社にプリプレス部門を持つ。製版工程を完全に終えたデジタルデータが、東京支社や大阪支店から本社のサーバに向けて、GTRAXという印刷・製版用の高速ネットワーク回線で送られてくる。速度やデータトラブルなどの問題はまったくないという。その版数は1日に200版、300版というから驚きだ。送られてきたデータはすべてCTPでダイレクトに刷版出力される。フィルム出力は基本的に行わない。フィルムセッターも残っているが、リピートの直し専用だという。
本社のCTP出力部門を見学した。見ている間にも3台のCTPマシンが次々と刷版を出力していた。このマシンは夜間も休みなくCTP出力を行う。まさにデジタルワークフローが現実のものとして稼働している姿がここに見受けられた。
ここで、デジタルワークフローの推進に、ボトルネックとなると言われる色校正について伺った。
佐野社長はこともなげに語る。
「東京支社と大阪支店には、DDCPが導入されていますから、DDCPで出力して、校正を行います。特殊紙の場合は、東京にも印刷機がありますから、本機校正を行います」
実は新日本印刷では、12〜13年前から校正刷りを社内の本機で行っていた。すべての印刷機が、朝の1時間は校正刷を印刷すると決めてあった。したがって、同社では、本機校正はごく普通のことで、しかも、校正を刷った印刷機で本刷りをするということが前提のため、校正刷と本機の色が合わないなどといった色の問題はまったくない。
となると、本機校正からDDCPへの移行は、お客さまの抵抗が大きかったのではないだろうか。
今でも必要な場合や納得されないお客さまに関しては、本機校正を提出します。しかし、印刷物の種類や商品によっては、色についてうるさく言われないお客さまが大半です。特に最近そういう傾向になってきています。ひとつはDDCPが良くなったという点。もうひとつは、優先するのは時間とコストだという点ですね
DDCPによる校正は、コストが抑えられ、納期を早められる。時間とコストを優先するお客さまは必然的にこちらを選ぶことになる。
「陶芸や漆器などの高級な美術印刷に関しては、必ず本機校正による色校を出すようにしています」と佐野社長。求められる品質によって、柔軟な対応ができる懐の深さがそこにはある。
スピーディーな作業が進められるDTPルーム。
1日に200〜300枚の刷版を出力するCTP部門。