グローバル化の進む経済環境、価格破壊や多様化など変化する市場ニーズや競争激化は、印刷業界にも多様化、短納期、低価格という厳しい要求を突きつけている。こうした課題に対して、デジタルワークフロー構築の必要性が提案されてきた。プリプレスに始まったデジタル化の流れをプレス、ポストプレスにまで広げ、さらにはネットワーク化により印刷のワークフロー全体を大きく変えていくという構想である。そのためには、DDCPによるデジタル校正の導入をはじめ、CIP3に対応したプリプレスとプレスのデータのやりとり、CTPによるダイレクト刷版出力など、新しいワークフローの構築が求められる。
 しかし、その必要性が語られてきたが、なかなかドラスティックにワークフローの変更を行うことができない印刷会社が多いなか、先駆けてデジタルワークフローを確立し、本社のみならず、東京、大阪の各拠点を高速ネットワークで結び、物理的距離ゼロのビジネス環境を実現している会社がある。それが昭和34年に設立された高松市に本社を置く新日本印刷である。
 新日本印刷は、昭和62年、シー・シー・エス(CCS)というデザイン会社を東京・銀座に設立したと同時に、DTPの導入を開始、他社にDTPが普及し始めた頃には、デジタルデータを自在にハンドリングし、最終印刷物にまで対応させる会社として高い評価を確立する。ここからデジタル化を急速に進め、現在では全社的なデジタルワークフローが完成する。新日本印刷のこれまでの取り組みと、これからの方向性について、高松市の本社を訪れ、佐野年計取締役社長に伺った。